再生可能エネルギーへの関心が高まる中、太陽光発電システムの導入を検討する企業や自治体は増加傾向にあります。
しかし、「自社の建物や敷地に太陽光発電を導入できるのだろうか?」「どのような基準で判断すれば良いのだろうか?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、太陽光発電の導入を検討する際に考慮すべき、判断基準や評価要素についTE解説します。
太陽光発電導入の判断基準は何?
設置適地の評価
近年、国は非化石エネルギーへの転換を推進しており、その一環として、工場や事業所などの建物屋根を活用した太陽光発電の導入が積極的に推奨されています。
省エネルギー法においても、事業者が作成する中長期計画書において、太陽光発電の導入計画を提出することが求められるようになり、将来的には定期報告の対象となる建屋の面積などが具体的に調査される見通しです。
一般的に、報告対象の目安として、1,000平方メートル以上の屋根面積を有する建屋が挙げられることがあります。
太陽光発電設備の設置にあたっては、まず、対象となる建築物がどのようなものか、また、どのような建築物が導入の対象外となるのかを把握することが重要です。
例えば、建築基準法で一部基準の適用が除外されている簡易な構造の建築物や、文化的価値の高い建築物などは、設置が難しい場合があります。
技術的経済的要件
太陽光発電システムを設置するにあたり、技術的および経済的な観点からの要件は重要な判断基準となります。
例えば、技術的・経済的に設置が合理的と判断される屋根の条件として、一定以上の屋根面積(例:2,000平方メートル以上)、十分な積載荷重(実測値)、築年数(例:50年未満)、特定の屋根形状(例:折板屋根※スレート除く)などが挙げられることがあります。
これらの条件は、設備の安全な設置と長期的な運用を可能にするために不可欠です。
また、これらの条件を満たすかどうかは、導入コストと将来的な発電量などを考慮した経済性にも影響します。
法規的要件
太陽光発電システムの導入には、関連する法規や条例への適合が求められます。
建築基準法においては、建物の構造に関する安全基準を満たしていることが前提となります。
特に、耐震基準への適合性は、積雪や風圧といった外力にも耐えうる構造であるかを判断する上で重要視されます。
省エネルギー法においても、定期報告の対象となる建屋の耐震基準や積載荷重に関する要件が考慮されます。
さらに、都市計画法による日影規制や、景観条例、その他の地域条例によって、太陽光発電設備の設置が制限される場合もあります。
将来的に建替えや解体、廃止が計画されている建築物への設置は、その計画時期との兼ね合いも考慮する必要があります。

太陽光発電導入の評価要素
建物の構造と屋根
太陽光発電設備の設置可否を判断する上で、建物の構造や屋根の状態は直接的な評価要素となります。
まず、屋根や屋上に太陽光パネルを設置するための物理的な空きスペースがどれだけあるか、その面積を把握することが第一歩です。
空きスペースの広さに加え、屋根の形状(陸屋根、折板屋根、傾斜屋根など)や素材(金属、スレート、アスファルトシングルなど)が、設置可能なパネルの種類や架台の設計に影響を与えます。
また、建物の耐震基準(新耐震基準か旧耐震基準か、耐震改修の有無など)は、積雪荷重や地震時の揺れに耐えられるかという安全性の観点から極めて重要です。
将来的な建替えや解体計画の有無も、投資回収期間や設備の寿命といった経済性に影響するため、評価要素として考慮されます。
周辺環境と立地
建物の構造だけでなく、周辺環境や立地条件も太陽光発電設備の設置可能性に影響を与えます。
例えば、海岸からの距離が近い地域では、塩害によるパネルや架台の劣化リスクを考慮する必要があります。
また、積雪が多い地域では、積雪荷重に耐えられる屋根構造であるか、または積雪対策が可能な設備であるかが重要になります。
敷地内の日影の発生状況や、近隣の建物、樹木、地形などが日照量に与える影響も評価が必要です。
さらに、地域条例、都市計画、景観条例など、行政が定める法的な規制や制約がないかも確認しなければなりません。
設置可否の判定
これまでに挙げた設置適地の評価、技術的・経済的要件、法規的要件、建物の構造と屋根、周辺環境と立地といった様々な要素を総合的に評価することで、太陽光発電設備の設置可否が簡易的に判定されます。
判定結果は、一般的に「設置可能性が高い」「設置可能性は高いが、懸念事項あり」「設置が難しい」といったレベルで示されます。
ただし、これらの簡易判定はあくまで導入検討の初期段階における目安です。
最終的な設置可否を決定するためには、日照時間、耐荷重、電気系統の配線状況など、設備設置事業者や設計事務所といった専門家による詳細な調査と、それに伴う専門的な評価が不可欠となります。

まとめ
太陽光発電システムの導入判断には、設置適地の評価、技術的・経済的要件、法規的要件といった多岐にわたる基準の確認が必要です。
建物の構造や屋根の状態、周辺環境や立地条件を詳細に評価し、設置可否の判定へと進みます。
本記事で解説した評価要素を踏まえ、専門家との検討を通じて、最適な導入計画を立案することが重要です。
再生可能エネルギー導入に向けた一歩として、これらの基準を理解し、計画を進めていきましょう。