太陽光キュービクルとは?役割・仕組みと導入費用を解説

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太陽光発電システムの導入を検討されている事業者の皆様にとって、キュービクルは重要な設備の一つです。
しかし、「キュービクル」という名称は聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。
今回は、太陽光キュービクルの役割や仕組み、設置費用、手続きなどを分かりやすく解説することで、導入における疑問や課題を解決するお手伝いをいたします。
高圧受電と低圧受電の違いについても触れ、最適なシステム構築に役立つ情報を提供します。

太陽光キュービクルとは何か?役割と仕組みを解説

キュービクルの定義と機能

キュービクル、正式名称は「キュービクル式高圧受電設備」です。
発電所から送られてくる高圧の電力を、私たちが使える低圧の電力(100Vや200V)に変換する変電設備です。
一般家庭では、電柱などに設置された電力会社の変圧設備によって電圧変換が行われるため、キュービクルは必要ありません。
しかし、50kW以上の電力を必要とする事業所などでは、高圧受電契約を結び、自前でキュービクルを設置する必要があります。

高圧受電と低圧受電の違い

高圧受電は、契約電力が50kW以上の事業所などが利用する契約形態です。
電力会社から6600Vの高圧電力を受電し、キュービクルで低圧に変換して使用します。
低圧受電は、契約電力が50kW未満の事業所や一般家庭が利用する契約形態で、電力会社が電圧変換を行うため、キュービクルは不要です。
高圧受電は低圧受電に比べて電力料金単価が安くなる一方、キュービクルの設置費用や維持管理費用がかかります。

太陽光発電システムにおけるキュービクルの役割

太陽光発電システムで売電を行う場合、発電された電力は電力会社に送電されます。
50kW未満の低圧物件では、そのまま出力できますが、50kW以上の高圧物件では、キュービクルを用いて電圧を6600Vに変換する必要があります。
太陽光発電システムにおいてキュービクルは、発電した電力を電力会社に送電するための重要な役割を果たしています。

キュービクルの内部機器と仕組み

キュービクル内部には、負荷開閉器(LBS)、電力需給用計器用変成器(VCT)、零相検出器(ZPD)、過電圧地絡継電器(OVGR)、売電用電力量計(WHM)、太陽光連系用ブレーカー(ELCB/MCCB)などの機器が搭載されています。
これらの機器は、電力の供給、監視、保護、計測などを行い、安定した電力供給を確保するために連携して動作します。

太陽光キュービクル導入のメリットデメリットと費用

キュービクル導入のメリット

高圧受電契約により、電力料金単価を低減できます。
大量の電力を安定して供給できるため、事業の拡大や効率化に貢献します。

キュービクル導入のデメリット

初期投資として高額なキュービクルの購入費用と設置費用が必要になります。
また、定期的な保守点検やメンテナンス費用も発生します。
電気主任技術者の選任が義務付けられているため、人材確保や費用負担も必要です。

キュービクルの設置費用とランニングコスト

キュービクルの本体価格は規模によって異なりますが、数百万円から数千万円規模になります。
それに加え、設置工事費、保守点検費用、電気主任技術者費用などが発生します。
ランニングコストとしては、定期的なメンテナンス費用や機器の更新費用を考慮する必要があります。
中古キュービクルの利用も選択肢の一つです。

キュービクル設置の手続きと必要な資格

キュービクルは「自家用電気工作物」に該当するため、電気事業法に基づいた手続きが必要です。
設置場所を管轄する産業保安監督部への届け出や、電気主任技術者の選任が義務付けられています。
手続きには専門的な知識が必要となるため、電気工事会社など専門業者への依頼が一般的です。

まとめ

本記事では、太陽光キュービクルの役割、仕組み、高圧受電と低圧受電の違い、設置費用、手続きなどを解説しました。
太陽光発電システムの導入を検討する事業者にとって、キュービクルは重要な設備であり、導入前にそのメリット・デメリットを十分に理解することが重要です。
高圧受電を選択する場合は、高額な初期投資と維持管理費用を考慮し、専門業者に相談しながら最適なシステムを構築することが必要となります。

低圧受電と高圧受電のどちらが事業に適しているか、慎重に検討することをお勧めします。
キュービクルの設置には、電気事業法に基づく手続きと電気主任技術者の選任が必須であることを改めて認識しておきましょう。

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