太陽光パネルは、私たちの生活に欠かせない電気を作る重要な役割を担っています。
しかし、その発電原理について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
今回は、太陽光パネル単体での発電原理を、専門用語を使わずに分かりやすく解説します。
光がどのように電気エネルギーに変換されるのか、その仕組みを紐解いていきましょう。
太陽光パネル 原理を学ぶ
光と半導体の出会い
太陽光パネルは、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置です。
その変換には、半導体という特殊な物質が重要な役割を果たしています。
半導体は、電気を通しやすい導体と、通しにくい絶縁体のちょうど中間のような性質を持つ物質です。
太陽光パネルに使われている半導体は、光を当てると電子を放出する性質を持っています。
この性質を利用して、光エネルギーを電気エネルギーに変換しているのです。
太陽光パネルの材料シリコン
太陽光パネルの材料として最も多く使われているのはシリコンです。
シリコンは地球上に豊富に存在する元素で、砂などに含まれています。
太陽光パネルに使用されるシリコンは、非常に純度の高いものが用いられ、特殊な処理によって半導体の性質を持たせています。
P型とN型半導体の役割
シリコンを半導体として利用するためには、不純物を混ぜて電気的性質を調整する必要があります。
太陽光パネルでは、ホウ素などの不純物を加えたP型シリコンと、リンなどの不純物を加えたN型シリコンを組み合わせて使っています。
P型シリコンは正孔(電子が抜けた穴)が多く、N型シリコンは電子が多い状態になっています。
この2種類のシリコンを接合することで、電子の流れやすくなる接合部(PN接合)が形成されます。
光電効果と電子の流れ
太陽光がシリコンに当たると、光エネルギーによってN型シリコン中の電子が励起され、P型シリコンへと移動します。
この現象を光電効果といいます。
電子がP型シリコンへ移動することで、N型シリコンには正孔が、P型シリコンには電子が蓄積されます。
この電子の移動によって電位差が生じ、電流が流れ、電気エネルギーが発生するのです。
この電流は直流電流であり、家庭で使う交流電流に変換する必要があります。
太陽光パネルの種類と特徴
結晶シリコン型パネル
結晶シリコン型パネルは、シリコンを結晶化させて作られたパネルです。
単結晶シリコン型と多結晶シリコン型があります。
単結晶シリコン型は、変換効率が高く、高価です。
多結晶シリコン型は、変換効率がやや低く、低価格です。
薄膜型パネル
薄膜型パネルは、シリコンを薄く膜状にして作られたパネルです。
結晶シリコン型パネルに比べて、製造コストが低く、軽量で柔軟性に優れています。
ただし、変換効率は結晶シリコン型パネルに比べて低めです。
その他の材料のパネル
シリコン以外にも、テルル化カドミウム(CdTe)や銅インジウムガリウムセレン(CIGS)などの材料を用いた太陽光パネルも開発されています。
これらの材料は、シリコンとは異なる特性を持つため、それぞれにメリット・デメリットがあります。
まとめ
今回は、太陽光パネルの発電原理を分かりやすく解説しました。
太陽光パネルは、太陽光を半導体であるシリコンに当てることで、光電効果により電子を移動させ、電流を発生させます。
P型とN型シリコンの組み合わせが、この電子の移動を効率的に行う上で重要となります。
太陽光パネルの種類は、結晶シリコン型、薄膜型などがあり、それぞれ変換効率やコストが異なります。
これらの仕組みを理解することで、太陽光発電の技術に対する理解が深まるでしょう。
太陽光パネルは、クリーンなエネルギー源として、今後もますます重要な役割を果たしていくと考えられます。