太陽光発電事業を営む上で、避けては通れないのが「点検」です。
2017年のFIT改正以降、太陽光発電のメンテナンス義務化は拡大し、従来は50kW以上の産業用太陽光発電のみに適用されていたものが、10kW未満の家庭用太陽光発電にも適用されるようになりました。
今回は、太陽光発電の点検義務化による変更点、具体的な点検内容、費用などを詳しく解説します。

□太陽光発電の点検頻度と費用｜義務化の変更点

1: 電気事業法と再エネ特措法による義務化

2017年4月のFIT改正（固定価格買取制度）以降、太陽光発電の点検義務化は大きく変化しました。
従来は、定格出力50kW以上の太陽光発電設備に対してのみ「電気事業法」に基づく点検義務が課せられていました。

しかし、改正により、定格出力10kW未満の太陽光発電設備にも「再エネ特措法施行規則」に基づいた点検義務が適用されるようになりました。

2: 点検頻度の違い

太陽光発電設備の点検頻度は、設備の出力によって異なります。

・10kW未満の設備：自主点検
・10kW以上50kW未満の設備：自主点検
・50kW以上5,000kW未満の設備：年2回以上の点検
・5,000kW以上の設備：選任主任技術者による点検

3: 点検義務化による影響

点検義務化により、太陽光発電事業者は以下の影響を受ける可能性があります。

・点検費用増加：点検頻度が増加するため、点検費用も増加します。
・メンテナンス費用増加：点検で不具合が見つかった場合、修理や交換が必要となり、メンテナンス費用も増加します。
・人的リソース不足：点検やメンテナンス作業に人手が必要となり、人材確保が課題となる可能性があります。

□太陽光発電の点検項目と費用｜徹底解説

太陽光発電の点検には、太陽光パネル、パワーコンディショナ、ケーブル、接続部分など、さまざまな項目があります。
各項目の点検内容、費用、実施頻度などを具体的に解説し、みなさんが適切なメンテナンス計画を立てることができるようにサポートします。

1: 点検項目

太陽光発電設備の点検項目は、大きく分けて以下の項目があります。

・太陽光パネル：表面の汚れ、破損、ホットスポットの確認
・パワーコンディショナ：動作確認、冷却ファン、出力確認
・ケーブル：断線、接触不良、劣化の確認
・接続部分：緩み、腐食、接触不良の確認

2: 各項目の点検内容と費用

各項目の点検内容と費用は、以下のとおりです。

・太陽光パネル：表面の汚れ、破損、ホットスポットの確認：目視検査、サーモグラフィ検査など
・費用：1枚あたり数百円〜数千円

・パワーコンディショナ：動作確認、冷却ファン、出力確認：目視検査、測定器による検査など
・費用：数千円〜数万円

・ケーブル：断線、接触不良、劣化の確認：目視検査、測定器による検査など
・費用：数千円〜数万円

・接続部分：緩み、腐食、接触不良の確認：目視検査、測定器による検査など
・費用：数千円〜数万円

3: 点検頻度

点検頻度は、設備の出力や設置場所、環境条件によって異なります。
一般的には、年1回〜年2回の点検が推奨されています。

□まとめ

太陽光発電の点検は、発電効率の維持、設備の寿命延長、安全性の確保に不可欠です。
点検義務化は、発電事業者にとって負担となる側面もありますが、安全で効率的な発電事業を続けるために、適切な点検とメンテナンスを行うことが重要です。
今回の記事を参考に、太陽光発電事業における点検計画を立て、安全で安定した発電事業を実現しましょう。