太陽光発電というと、業者に施行してもらうのが一般的ですが、
「産業用の大きい太陽光発電は無理だけど、ソーラーパネルやパワコンなどのアイテムを揃えれば、
家庭用の小さい太陽光発電なら自作で構築出来るんじゃないの??」と気づかれた方もおられるかと思います。
その通りです。パーツさえ完備されていれば、独立型太陽光発電設備は自分で作れます。
今回の記事では太陽光発電の自作(DIY)の方法を手順を追って紹介します。
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太陽光発電をDIY出来る条件とは
以前の記事で説明した通り、太陽光発電システムには系統連係型と独立型の2通りがあります。
屋根一面に設置する一般的な系統連係型は、電力会社と売買電をするため、通さなければならない規格が多数存在し、自作するにはハードルが高いです。
しかし、独立型であれば電力会社の送電網とはつながっていないため、独立した形となり自作が可能です。
このブログでは資格が不要な独立型太陽光設備の作り方を紹介いたします。
独立型の太陽光システムは街中でも多く見られます。
道路標識やソーラー街灯といった身近なものがそれにあたります。
下の画像は道路でよく見られるソーラースパイクアルミです。
より良い暮らしの為には自然災害を避け、
万が一被災してしまった時でも安定して電力を手に入れることが大きな課題となっています。
そんなとき活躍してくれるのが太陽光発電です。
ライフラインが絶たれてしまったときの非常電源としてのみでなく、
環境破壊の進行を予防するために、 DIYによるソーラーシステムの構築と利用が増加しています。
太陽光発電システムを自作するメリットとデメリット
太陽光発電をDIYで構築した場合、使う用途は以下のように多岐に渡ります。
・外灯や防犯灯
・家電製品
・獣害防止の電気柵
・キャンピングカー
・船舶ボートのバッテリー補給 等々、
利用シーンや予算に合わせたシステム構築が可能です。
第一のメリットは正にここにあり、さまざまな目的に合わせた形で構築出来るのが魅力となっています。
システムを構築していく中で最初は小さく、 次第に大きく増やしていく事もできます。
第二のメリットは自作の太陽光発電システムが電力会社の送電線とつながっていない、独立した蓄電システムであるということです。
前項でも説明しましたが災害などの非常事態の停電でも 電力を確保する事が可能になります。
しかしこれは裏腹で、デメリットとして独立しているために電力会社に売買電することは出来ないという問題も含んでいます。
さらに系統によっては取り扱いの資格が必要になる場合があり、 感電やバッテリーの爆発などの危険が伴います。
工具を使い慣れていない人は時間がかかることや、 設置後のメンテナンスも自分でする必要がある点も、デメリットとなります。
以上のようなメリットとデメリットがあります。
DIYの太陽光発電にはどんな道具が必要なの?
では実際に太陽光発電を構築していくなかで必要な道具は何でしょうか。
以下にチェックボックスを作りました。
必要な道具リスト
ソーラーパネル □
バッテリー □
パワコン □
チャージコントローラー □
ケーブル □
電圧計 □
電工ペンチ □
これらは必須なので必ずそろえるようにして下さい。
ソーラーパネル
太陽光から直流電力を発生する装置です。メインのアイテムとなります。南向き 角度30度が安定した発電ができます。
バッテリー
直流電力を蓄電する蓄電池です。充電電圧が合わない事態も起こりがちなのでシステムやチャージコントローラーとの組み合わせを考えて選びます。
パワコン
直流→交流へ電力を変換する装置です。 先日の記事でも説明しましたが、これがあると家庭用品に使えることが出来るので、一番重要な道具といっても過言ではありません。
チャージコントローラー
集めた電気をバッテリーに充電させる為のものです。 過充電や過放電をシャットダウンして充電池のロスを減らすことができます。
ケーブル
取り込んだ電力を蓄電池に送る為など、機器と機器とをつなぐために使います。
電圧計
機器の電圧を測るために必要です。
電工ペンチ
電気系統をいじくるので絶縁加工が施されたペンチは感電を避けるために必須の道具です。
他に絶縁手袋を用意しておけば感電を防ぐことが出来るでしょう。
以上の道具が最低限必要になります。
機器の接続方法
太陽光発電で使う機器のそれぞれの+と-を正しく接続して下さい。
接続が完了するまでソーラーパネルは太陽側ではなく壁側に向けて発電しないようにしておきます。
これは感電を防ぐために必要なので絶対に怠らないようにして下さい。
1.バッテリーとチャージコントローラーを接続
まずケーブルをチャージコントローラーに接続し、次にバッテリーの丸形端子の方に接続して下さい。
この際あとでパワコンにKIVケーブル(絶縁コーティングされたケーブル)を接続するためネジはまだ締めません。
正常に接続されるとチャージコントローラーのBATが緑色に点灯します。
2.バッテリーとパワコンを接続
パワコンの後ろにある端子とKIVケーブルの丸型端子側を接続し、
チャージコントローラーに接続したKIVケーブルの上に、 パワコンからのKIVケーブルを接続してネジを締めます。
3.ソーラーパネル延長ケーブルを接続
ソーラーパネルの後ろからでているケーブルと延長ケーブルを、 カチッと音がするまでしっかりと接続します。
4.ソーラーパネルとチャージコントローラーの接続
接続後、パネルを太陽に向けて、チャージコントローラーの「SUN」が点灯したらOKです。
5. チャージコントローラーと電圧計を接続
電圧計で正常な電圧値を保っているのか確認します。
この手順に従えば下の画像のような太陽光発電設備が自作できます。
ソーラーパネルの価格帯比較
さて、このように自分で作ることもできる太陽光発電設備ですが、
独立型の太陽光発電システムを設置する時に パネルを屋根に設置して多くの家電に使用する場合は、
施工費が機器の代金よりも高くつくことがありますから、
自作できるのであれば自作したほうが経済的には大幅な節約となります。
しかし問題は設置後のメンテナンスです。
これは瑕疵が出る度に整備し直さなければならず自分で行うにはハードルが高すぎます。
その為設置後のメンテナンスを業者に頼むことになります。
そうなると長い目で見たら太陽光発電設備の設置自体を業者に頼んだ方が良い場合もあります。
いずれにしても皆様が気になる点が太陽光パネルの値段でしょう。
コスト削減の為に、少しでも安価で高性能な太陽光パネルを設置したい方が多いかと思います。
以下に主要メーカーの太陽光パネルの値段を比較した表をご紹介します。
※下のテーブルは項目ごとに並び替えが出来ます
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最先端のソーラーパネルの主要価格は以上のようになっています。 予算と性能を考えて選ばれてはいかがでしょうか。
まとめ
以上のように太陽光発電設備は自分で構築することも可能です。
しかし価格の面と難易度から見てもまだまだDIYは実現が難しいジャンルであるといえるでしょう。
一度業者に頼んで、きちんとした太陽光発電設備を導入し、 知識を蓄えた後、
独立型太陽光発電を家電ごとにDIYで構築することに挑戦するというのが一番効率が良いのではないでしょうか。